アジアン美容クリニック院長韓流独り言

2005年開院 東洋人の美を追及してきた稀有な美容外科アジアン美容クリニック鄭憲院長が過去17年に渡り東洋経済日報に連載されたコラムなどを含めたブログです。

Weblog

新着順 人気順

「満ち足りた家族」映画評

ある韓国ドラマの中で「歳を取ると子供が人生の成績表のように思える。」という台詞があった。ドラマの題名や、どの様な場面であったかは不確かであるが、その言葉がなぜか耳に残っている。韓国では、友人、家族など親しい間柄で相手に対して、その人が結婚…

「市民捜査官ドッキ」映画評

振り込め詐欺、いわゆる‘オレオレ詐欺’と言う単語が使われ始めたのは2000年代初期くらいではないか。しばらく疎遠であった息子や孫からの電話を装い、窮状を訴えて金銭を要求する特殊詐欺を意味する。親子の扶養意識やお互いの依存性が比較的強いアジア諸国…

「対外秘」映画評

私の個人的な感想ではあるが、日本のドラマ、映画のテーマは家族や恋人、友人をはじめ、学校や職場などの身近な人間関係を中心に、そこでの起きる出来事や事件、心の葛藤が描かれた内容が多い印象がある。一方、韓国映画、ドラマは、時代ものは勿論、恋愛、…

「ボストン 1947」映画評

今年はパリで夏季オリンピックが開催された。地理的にも、その背景を考えても決して遠くないウクライナ、そしてパレスチナ地区では連日戦闘による破壊、殺害が続く真只中の大会である。実際、よく謳われる「政治理念、宗教、民族を超えたスポーツによる平和…

映画「ソウルの春」 評

過去のある地点で起きた出来事を、記録や伝承をもとに後世の誰かが断片を繋ぎあわせ編集したものが歴史として残る。それ故、その時代の価値観や評価により、焦点が当てられる人物がいる反面、影のように隠れ忘れ去られる人々もいる。韓国の近代史は、植民地…

「THE MOON」映画評

‘’Space...the final frontier‘’ (宇宙...それは最後のフロンティア)。 昔、テレビドラマ「スタートレック」冒頭の語りは今も耳に残っている。SFの世界は別として、誰しも一度は宇宙という存在に想いを馳せたことはあるだろう。私も小学校のころ、…

「ちゃわんやのはなし 4百年の旅人」映画評

日本統一を果たした豊臣秀吉が、明国の征服を目指して朝鮮に侵攻した文禄・慶長の役(壬辰倭乱 イムジンウェラン)は1592年に始まり休戦と交渉を挟むが、秀吉の死去で撤退する1598年まで続いた。日本軍延べ30万人以上を動員した戦乱は、16世紀において世界最…

映画「リバウンド」評

日本では、多くの学生が、中学、高校進学と同時に何かしらの部活動を始めるのが普通で、その うち半分以上が運動部を選択する。逆に、どの部にも所属しない少数派は何部かと聞かれて自嘲気味に「帰宅部」などと答えるが、周囲からもあまり良いイメージは持た…

「アリランラプソディ」 映画評

韓国内だけでなく、朝鮮半島全域で老若男女問わず、謡われ、愛されてきた民謡と言えば「アリラン」をおいて他にない。2012年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「民謡アリラン」として登録されたが、3大アリランといわれる江原道の旌善(…

「コンクリート ユートピア」映画評

中高年の方なら1990年代に起きた日本のバブル崩壊を記憶しているだろう。1985年9月、先進5カ国による「プラザ合意」がなされ急激な円高ドル安が進んだ。それまで順調だった日本経済は不況に陥り、日本政府は公共事業拡大と低金利政策を実行する。結果、企業…

「極限境界線 救出までの18日間」 映画評

アフガニスタンという国を私たちはどのくらい知っているだろうか。人口約4千万、国土は日本の1.8倍と言えば、決して小国ではない。しかし、中央アジアと南アジアの交差点に位置する地理的要因もあってか、古くはアレキサンダー大王のマケドニア王国、チン…

「コンフィデンシャル 国際共助捜査」映画評

2020年より始まったいわゆる‘第4次韓流ブーム’は、コロナ禍で外出の機会が減り、自然と動画配信サービスの需要が高まったことが大きな原因であった。その時人気を二分した韓国ドラマが「愛の不時着」と「梨泰院クラス」。若者を中心に男女問わず高い評価を受…

狎鷗亭(アックジョン)スターダム 映画評

2000年代初め、‘冬ソナ’や‘チャングムの誓い‘などのドラマ放送をきっかけに‘第一次韓流ブーム’が巻き起こった。それに伴い韓国文化、社会に対する関心も集まるなかで、韓国の美容外科の現状が興味本位で伝えられた結果、「美容整形大国」いう表現がメディア…

「高速道路家族」映画評

本作品を観て映画「パラサイト 半地下の家族」(2019)を思い浮かべる人も少なくないだろう。「パラサイト」は言わずもがな、非英語作品初のアカデミー作品賞獲得、さらにカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールも同時受賞という韓国映画に輝かしい歴史…

「ハンサン-龍の出現」 映画評

ソウルの正宮である景福宮(キョンボククン)の南門、光化門一帯は、朝鮮時代以後、歴史と政治の心臓部の役割を担ってきた。この場所に2009年にオープンした光化門広場には、韓国人が最も尊敬する二人の人物の銅像がある。世宗(セジョン)大王と李舜臣(イ…

「別れる決心」 映画評

韓国近代歌謡の歴史を遡ると、1930年代から日本による統治時代に入った演歌の影響を受けた「トロット」と呼ばれるメロディーラインが庶民の間で広く親しまれた。そして大戦終結による独立、また朝鮮戦争(六・二五戦争、韓国戦争)を経て、在韓米軍の社交場…

「非常宣言」 映画評

2020年1月30日、世界保健機構(WHO)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への国際的な公衆衛生上の緊急事態宣言されて間もなく3年になるが、今後もウイルスが完全に消滅し、感染者もゼロになることもないだろう。それでもワクチン接種、治療法の…

ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」 評

今やエンターテインメントの世界では、一つのジャンルとして確立した韓流コンテンツ。ネットによる動画配信サービスの拡大に伴い、ドラマ分野でも世界的な評価を受ける作品も登場してきた。記憶に新しいところで大ブーム巻き起こした「イカゲーム」は、今年…

「KING MAKER キングメーカー 大統領を作った男」 映画評

第二次大戦以降、多くの国が取り入れてきた議会性民主主義。しかし、この制度が正しく機能する為には、国民が誰でも自由で公正に参加できる選挙の実地が前提である。しかし現実には、途上国や独裁国家において不正選挙の報道も多く、また日本、米国、フラン…

「モガディシュ 脱出までの14日間」 映画評

スポーツを通じ、世界中が人種や国境を越え一つになる’平和の祭典’とのスローガンで開催されてきたオリンピック。しかし、近年はその意味に疑問を抱く人も多く、オリンピック候補地として積極的に手を挙げる国も減少していると聞く。だが、80年代の韓国で過…

「ポーランドへ行った子供たち」 映画評

6年前に訪れたポーランドの記憶と言えば、到着したワルシャワ・ショパン空港でハングル文字の標識を眼にした時の親近感以外は、何となく心に霧がかかっていたようで曖昧である。思うに、後に訪問したアウシュヴィッツ強制収容所と、その時のどんよりした空…

ドラマ「未成年裁判」 評・・・韓流エンタメという言葉に未だ抵抗のある中高年男性に進める社会派韓国ドラマ。

メディアで紹介される情報以上に、患者さんや知人との会話内容から所謂韓流ファンだけでなく、老若男女様々な層で韓国ドラマは確実に浸透し、評価されていることを実感する。既に以前から若者のテレビ離れ傾向は、YouTubeなどのネット動画配信の浸透と共に自…

「ハード・ヒット 発信制限」映画評

作品の中で映し出される釜山の街並みは、今やGDP世界10位まで成長した韓国でソウルに次ぐ第二の大都市の名に相応しい洗練された姿である。私が学生であった1980年代、釜山大学に通う友人を訪ねた思い出の中にあるのは、一地方の港町。海水浴客もまばらな浜…

「声もなく」映画評

2000年以降、特にここ数年の韓国エンターテイメント分野における目覚しい成果は特筆すべきであろう。ポップミュージック界ではBTSが世界的な、それも頂点を極める勢いの人気、評価を受け、映画界は昨年のアカデミ―賞作品賞、今年度は助演女優賞を獲得、そし…

「雨とあなたの物語」映画評

今回紹介する映画の舞台は2003年ソウルのとある大学予備校である。多くの若者が未来の為、正確にはより就職に有利な有名大学に入学する為に日本のセンター試験にあたる大学就学能力試験(通称 ‘就能、スヌン’)の準備に励む。2000年代以降、大学進学率は世…

「ジョゼと虎と魚たち」映画評

自らを‘ジョゼ’と名乗る足が不自由な主人公と大学生恒夫の恋愛物語「ジョゼと虎と魚たち」は、1985年に発刊された田辺聖子の短編小説である。‘ジョゼ’とは、フランスの作家フランソワーズ・サガンの作品「一年ののち」で登場する、裕福な暮らしをする早熟な…

「殺人鬼から逃げる夜」映画評

昨年、最も世界の関心を集めた出来事の一つにアメリカ大統領選挙戦が挙げられる。その間、ニュースの映像で候補たちが演説する傍らで、手話による同時通訳が行われる様子を何度か目にした。国内外を問わず、重要な会見や発表には手話通訳が伴うことは自然な…

「白頭山大噴火」 映画評

地球の表面は十数枚の固い岩石の板からなるプレートで覆われている。このプレート同士が大きな力で押し合い、一方が地下に潜り込みながら摩擦が起きる。その過程で重なり、下方に滑り込んだプレートが弾かれる現象によって地震が発生する。日本に地震が多い…

映画「サムジンカンパニー1995」 映画評

世界経済フォーラムから「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート(世界男女格差指数)2021」が発表された。156ヵ国を対象に、「経済」「教育」「医療へのアクセス」「政治参加」の主要4分野に対する男女格差縮小への取組みをもとにランキングを行っ…

映画「王の願い-ハングルの始まり」評

「はじめに言葉ありき」。新約聖書の有名なフレーズである。勿論ここでいう言葉(ロゴス、logos)とはイエス・キリスト自身を指すとされ、一般的なことば=言語ではない。しかし、弟子たちの言葉がヘブライ語や古代ギリシア語で聖書として残されなければ、…