アジアン美容クリニック院長韓流独り言

2005年開院 東洋人の美を追及してきた稀有な美容外科アジアン美容クリニック鄭憲院長が過去17年に渡り東洋経済日報に連載されたコラムなどを含めたブログです。

あらためてボツリヌス毒素製剤(ボトックス Botox その他製剤)治療の適応と限界

世界中で最も多くおこなわれている美容治療の代表が、ボトックス注射ではないかと思います。通常、顔の表情じわ治療につかわれる以外に、エラボトックス、脇ボトックス、スキンボトックス、人中ボトックス?等々の○○ボトックスまで含めると、万能治療、万能薬のように感じてしまいます。

しかし、ここでボツリヌス毒素製剤の本来の作用、効果を考えたとき、イメージではなく治療の意味、効果そして限界も含めて考えてみることが大切かも知れません。

ボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)の薬理機序は末梢の神経・筋伝達部分で神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑制することで一定の期間筋肉の収縮が抑えられるものです。また、皮フ内のアセチルコリン放出で発汗が促進するため、脇などの多汗症にも利用されています。

このようにアンチエイジング目的でのボツリヌス毒素製剤の注射は顔の表情を強めたり、繰り返すことで刻まれていく表情じわの治療、予防がメインであると言えます。

具体的には、目尻のカラスじわ、額の横じわ、眉間の八の字や縦じわ、鼻根部位の横じわが最も適応になります。 その他は、唇周囲の縦じわ、顎の梅干じわ、頸部中央の七面鳥じわも、比較的効果的です。

反面、笑えなくすることでほうれい線が深くならないからと言って使用することはありません。こちらは、ヒアルロン製剤により皮ふの窪みやラインを調整することで治療が可能です。

また、顔の表情筋は皮膚と骨やじん帯と繋がっていることで表情を作っています。そのため、ボツリヌス毒素製剤を打つとリフトアップするという説明には無理があります。

例えばエラに打つことで、咬筋の萎縮が起きる(収縮力が少し弱くなることでの筋委縮)ことでエラが張って見える人が改善される効果はありますが、もともとそこまで太くない人がシャープなV字になると期待して打ちすぎると、逆に頬の張りがなくなり口角周囲がたるんで見える様になります。

もう一つ、ボトックスの効果は早ければ3~4ヶ月、長くても半年以内です。当然、筋肉の動きは時間とともに戻ります。その為、3~4ヶ月おきに数年打ち続けている患者さんがいます。それは、シワの治療というより、常に動かなくする為に打つという感覚になっています。

本来表情は筋肉を動かすことで表現されます。本来、長年動かしたことでできた表情じわが、刻みじわにならないように、あるいは既に刻みじわを改善するために、何度かは継続することで表情の管理がある程度できるようになれば様子を見るべきかも知れません。

ボトックスを打ち続けることが、アンチエイジングや若返り老化予防になるわけではありません。

注射一つでも十分に診断と説明を受けて、何が本当に必要かを考えイメージだけではなく治療内容を理解すること理解が不十分なら質問して納得してから受けることが重要です。

水光注射と肌育注射とは?・・・話題の皮膚再生注射 リジュラン(Rejuran)


男性に比べて女性の肌はデリケート、多くの女性がほぼ毎日洗顔後に化粧水や栄養クリームを欠かさないのもその為でしょうか?? 男性は元々肌が丈夫だから歳をとっても化粧水なしで乾燥も感じない? 医学的に男女の身体構造機能に違いがあるとしても、肌のバリア機能にそこまで差があるという根拠は少ないです。

私は多くの女性が普段感じている乾燥や敏感さは日常のケアーによるものが最も大きいと考えます。ほとんどの女性が二十歳前後から化粧を始め、夜にはクレンジングを使います。肌の敏感さ乾燥赤みを気にするのもそのころからでは? 化粧を落としのクレンジング剤や洗顔剤などの合成界面活性は石鹸などでは落ちにくい化粧を非常にすっきりと落としてくれます。

しかし化粧品や日焼け止めは朝塗って一日落ちないように皮脂膜角質層に溶け込んでいます。つまりクレンジングは化粧品だけではなく、自分の皮脂膜まで溶かすことで落とします。結果的に化粧はきれいに取れたと同時に自分の皮脂膜バリアもきれいになくなります(笑)。洗顔後肌がつっぱり乾燥デリケートになるのも当たり前です。また皮脂が皮脂腺から供給され表面をカバーしてくれるまで数時間かかるでしょう。一方男性でクレンジングで洗顔する人はほとんどいませんから、それによる乾燥もありません。人のバリア機能は男女限らず非常に優秀だからです。

そしてクレンジング後洗い流されてしまった皮脂に代わるものとして化粧水や栄養クリームがあります。化粧品に配合されている一般的な保湿成分、有効成分のほか特にドクターズコスメと銘打ったものや機能性を謳う化粧品であればヒアルロン酸やコラーゲンなどが配合されています。それらが肌の再生や若返りを助けてくれることを望むところです。

残念ながら化粧品が肌に浸透するのは表皮の外側の層である角質層までです。つまり、保湿以上の効果はあまり期待できません。少しがっかりされるかも知れませんが、逆に言えばヒトの肌は非常に優秀なバリア機能をもっており外界の微細な有害物質も体内に入れないことで体を守る役割をしているのです。それ故当クリニックでは、肌の治療に通っている方々には必ず毎日の基本的ケアーとして化粧落としも含めて皮脂を洗い流し過ぎないような軽めの洗顔を推奨しています。

水光注射・・・・それでは、実際に皮膚に有効成分やヒアルロン酸やコラーゲンなどの高分子の物質を入れる為にはどうすればよいか?結局は微細な針で、肌面全体にごく少量ずつ均等に注入するのが確実であるという発想から生まれたのが「水光注射」です。「水光注射」の「水光」とは、韓国語の「水面のようにみずみずしく光を放つような肌」を意味する「水光皮膚(ムルガァンピブ)」に由来します。光輝くような美肌を追求する韓国の女性たちの間で人気に火が付いた結果、日本にも導入されてきました。
肌育注射 リジュラン(Rejuran)・・・肌育とは、自分の皮膚をより良い状態、若い状態に育ててくれる治療、成分ということで使われている言葉です。
リジェラン(Rejuran)は韓国で開発され美容医療の分野で広く知られるようになった皮膚再生注射です。主成分はサケ由来のポリヌクレオチド(PN)で肌の真皮層に注入することで肌が本来もつ修復力や再生力をサポートすることを目的としています。ヒアルロン酸注入のように外からボリュームを補う施術とは異なり、肌そのものの質感を整え自然なハリやツヤを引き出す治療として注目されています。
リジェランの治療機序
リジェランに含まれるポリヌクレオチドは真皮に存在する線維芽細胞に働きかけるとされます。ポリヌクレオチド(PN)は、ヌクレオチドが多数連なった高分子で、DNAやRNAそのものが代表例です。美容領域で使われるPNは、サーモン(サケ科)由来のDNAを酵素処理・超音波処理で細かく断片化し、タンパク質・脂質を除去して精製したものです。
ヒトDNAと構造が近く、免疫反応が起きにくいとされるため、サーモン由来DNAが選ばれました。断片化されたDNAが細胞の受容体に作用し、創傷治癒・組織修復を促す可能性があるという理論です。

線維芽細胞は肌のハリや弾力を支えるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの生成に関わる細胞です。これらの働きが活性化されることで乾燥小じわ毛穴の目立ちキメの乱れなどに対する肌質改善が期待されます。

肌の引き締め(タイトニング)たるみ治療の選択として ・・高周波(RF)治療機器 エンディメッド(ENDYMED)


美容医療で広く利用されている治療機器の代表的なものには、レーザー(Laser)、光治療器(フォト、IPL)、高周波(RF)機器、超音波機器(HIFU)などがあります。

レーザー、光治療器(IPL)は光の波長を調整することで、主に皮膚の表皮真皮内のメラニン、血管、その他毛根を含めた皮膚内の治療が対象です。それに対して、高周波(RF)や超音波(HIFU)は皮膚から皮下組織(脂肪、繊維組織)時には筋膜にまで熱を加えることで変化効果を目的としています。

今回は年齢層を問わず相談が多い皮膚のたるみに対し現時点で最も中心となる高周波(RF)治療に関して説明します。
そもそも高周波(RF 、Radio Frequency)とは、非常に高い周波数の電磁波を意味します。人体に高周波を流すと電気が流れることで起きるジュール熱、電波形成されることで起きる誘電加熱が発生します。これらの熱作用により真皮や皮下組織に熱刺激が加わり、コラーゲン収縮による即時効果、そして熱ダメージによる創傷治癒作用が発言していくことによる中長期的効果が期待できます。

高周波機器の種類には大きく分けて、モノポーラ(単極式)とバイポーラ(双極式)があります。
モノポーラタイプは、より深部に強い熱を発生させるため、真皮層から皮下、脂肪層まで強い熱収縮とタンパク変性を起こし、強い引き締め効果が期待できる反面ある程度の熱感刺激が伴います。
バイポーラタイプは比較的皮膚から浅い層に熱を発生し、連続的照射をおこなうことで主の皮膚真皮層中心にハリ改善効果が得られやすいです。また、刺激や熱感もマイルドでダウンタイムもほぼ気にせずに受ける事ができます。

今回当院で導入した次世代高周波治療機器エンディメッド(ENDYMED)は、モノポーラ、バイポーラの両システムの長所を取り入れたマルチポーラタイプの治療器です。適度な熱作用と、熱の浸透度による刺激抑えハリたるみの効果を可能にしました。

安心して受けられるたるみ引き締め皮膚のハリ治療の選択肢としてまずは相談ください。

本当のヒアルロン酸注入の持続性と効果の関係は?・・・あらためて美容医療におけるを考える

シワタルミの治療改善そして顔の輪郭矯正の効果的な治療法として注入療法は、今では一般的になっています。製剤として1980~2000年初めまではコラーゲン製剤、今では大部分がヒアルロン酸製剤です。 どちらの製材にも共通しているのが、皮フ構成成分として親和性が高くかつ吸収性であり安全性が確立している点です。

ここでは現在最も多く使用されている皮フ充てん剤(フィラー)としてのヒアルロン酸注入に関して考えてみます。韓国ではヒアルロン酸注入であってもフィラー注射とだけ説明されることが多く、患者さんの多くがフィラーという注射剤が存在すると考えている人が多いです。しかし先に書いたように皮フ充てん剤として最も重要な点は、皮フ親和性と吸収性であることです。 

改めて理解してもらいたいのは、吸収性であることを否定的限定的効果と説明され、より吸収されにくい生体内に残存する材料が優れていると考えるのは大きな誤解だという点です。なぜなら非吸収性の製材なら永久に皮ふや皮下組織内に残る反面、肌や自分の組織にとっては邪魔な異物でしかなく、むしろ長く残れば残るほど自分の皮膚や組織を圧迫し時には炎症やトラブルの原因になりうるということです。

一方、親和性の高いコラーゲンやヒアルロン製剤は半年から1年かけてゆっくり分解されその部位で栄養成分として吸収されていきます。その効果はむしろ吸収される過程で、しわの改善やくぼみの修正に繋がっていくため、吸収されたからと効果がゼロになるどころか正確に安全に吸収されていくからこそ、効果が皮膚に伝わって残るのです。

当院でも多くの患者さんが一年以上経ちヒアルロン酸製剤が吸収されたタイミングで診察しても治療前より明らかにしわが浅くなっていること実感してくれています。

勿論ヒアルロン酸製剤であっても注入するにあたり、正確なデザインと注入技術があってこそ安全で効果的な結果が期待できることは言うまでもありませんが・・・


アジアン美容クリニック 院長 帝京大学形成外科・美容外科 非常勤講師 鄭 憲 

体外衝撃波器(セルアクター『CELLACTOR®』)を 用いた新しい美容医療ファット インパクト( Fat Impact)

セルインパクト

体外衝撃波器(セルアクター『CELLACTOR®』)を
用いた新しい美容医療ファット インパクト( Fat Impact)

代表的な美容医療機器といえばレーザーIPL(光治療器)高周波(RF)ハイフ(HIFU 高密度焦点式超音波)などは耳にしたことがあるかも知れません。しかし「対外衝撃波」という言葉はあまり耳にしたことはないでしょう。しかし医療の分野では数十年前から治療に用いられています。体外から衝撃波を発生させることで強い圧力を体内に加えるこで腎結石や尿管結石を破壊し細かく粉砕して流すという治療は長く行われており効果や安全性はある程度確立しています。

 近年体内の結石を圧力で砕くという面以外に低出力の衝撃波が人体に様々な変化効果を与えることが研究で分かってきており様々な分野での医療治療が広がっています。その中でも微小血管への刺激による血流代謝改善は、狭心症、皮膚潰瘍などの治療への応用も注目されています。

そして美容医療分野では脂肪細胞皮膚への効果に特に注目し、開発されたのが体外衝撃波器(セルアクター『CELLACTOR®』)を用いた新しい美容医療ファット インパクト( Fat Impact)です。

従来の結石を叩く衝撃波の出力を十分の一以下に抑え、さらに衝撃波のフォーカスを絞るハンドピースと拡散して流すハンドピースを使い分けることで効率の良い引き締めができるシステムを可能にしました。脂肪細胞に直接働き圧力波により圧縮し縮める効果はボリュームロスによる皮膚のたるみが起きるリスクを伴わないだけでなく同時に皮膚の血流改善さらに真皮層の厚みを増やすことで張りも生まれる効果も併せ持っています。

特に当院では頬、口元、顎下、目の周囲などの繊細な部分の引き締め輪郭の調整維持に多く用いています。レーザーや高周波ハイフなど他の治療機器とは異なり熱をほとんど発生させないファットインパクト治療は熱による刺激、赤み、痛みを伴わない安全な治療として続けられるものと考えています。

 美容医療は魔法ではありません。しかし医学的根拠と正確な施術があれば期待以上の効果は可能な分野でもあります。