アジアン美容クリニック院長韓流独り言

2005年開院 東洋人の美を追及してきた稀有な美容外科アジアン美容クリニック鄭憲院長が過去17年に渡り東洋経済日報に連載されたコラムなどを含めたブログです。

水光注射と肌育注射とは?・・・話題の皮膚再生注射 リジュラン(Rejuran)


男性に比べて女性の肌はデリケート、多くの女性がほぼ毎日洗顔後に化粧水や栄養クリームを欠かさないのもその為でしょうか?? 男性は元々肌が丈夫だから歳をとっても化粧水なしで乾燥も感じない? 医学的に男女の身体構造機能に違いがあるとしても、肌のバリア機能にそこまで差があるという根拠は少ないです。

私は多くの女性が普段感じている乾燥や敏感さは日常のケアーによるものが最も大きいと考えます。ほとんどの女性が二十歳前後から化粧を始め、夜にはクレンジングを使います。肌の敏感さ乾燥赤みを気にするのもそのころからでは? 化粧を落としのクレンジング剤や洗顔剤などの合成界面活性は石鹸などでは落ちにくい化粧を非常にすっきりと落としてくれます。

しかし化粧品や日焼け止めは朝塗って一日落ちないように皮脂膜角質層に溶け込んでいます。つまりクレンジングは化粧品だけではなく、自分の皮脂膜まで溶かすことで落とします。結果的に化粧はきれいに取れたと同時に自分の皮脂膜バリアもきれいになくなります(笑)。洗顔後肌がつっぱり乾燥デリケートになるのも当たり前です。また皮脂が皮脂腺から供給され表面をカバーしてくれるまで数時間かかるでしょう。一方男性でクレンジングで洗顔する人はほとんどいませんから、それによる乾燥もありません。人のバリア機能は男女限らず非常に優秀だからです。

そしてクレンジング後洗い流されてしまった皮脂に代わるものとして化粧水や栄養クリームがあります。化粧品に配合されている一般的な保湿成分、有効成分のほか特にドクターズコスメと銘打ったものや機能性を謳う化粧品であればヒアルロン酸やコラーゲンなどが配合されています。それらが肌の再生や若返りを助けてくれることを望むところです。

残念ながら化粧品が肌に浸透するのは表皮の外側の層である角質層までです。つまり、保湿以上の効果はあまり期待できません。少しがっかりされるかも知れませんが、逆に言えばヒトの肌は非常に優秀なバリア機能をもっており外界の微細な有害物質も体内に入れないことで体を守る役割をしているのです。それ故当クリニックでは、肌の治療に通っている方々には必ず毎日の基本的ケアーとして化粧落としも含めて皮脂を洗い流し過ぎないような軽めの洗顔を推奨しています。

水光注射・・・・それでは、実際に皮膚に有効成分やヒアルロン酸やコラーゲンなどの高分子の物質を入れる為にはどうすればよいか?結局は微細な針で、肌面全体にごく少量ずつ均等に注入するのが確実であるという発想から生まれたのが「水光注射」です。「水光注射」の「水光」とは、韓国語の「水面のようにみずみずしく光を放つような肌」を意味する「水光皮膚(ムルガァンピブ)」に由来します。光輝くような美肌を追求する韓国の女性たちの間で人気に火が付いた結果、日本にも導入されてきました。
肌育注射 リジュラン(Rejuran)・・・肌育とは、自分の皮膚をより良い状態、若い状態に育ててくれる治療、成分ということで使われている言葉です。
リジェラン(Rejuran)は韓国で開発され美容医療の分野で広く知られるようになった皮膚再生注射です。主成分はサケ由来のポリヌクレオチド(PN)で肌の真皮層に注入することで肌が本来もつ修復力や再生力をサポートすることを目的としています。ヒアルロン酸注入のように外からボリュームを補う施術とは異なり、肌そのものの質感を整え自然なハリやツヤを引き出す治療として注目されています。
リジェランの治療機序
リジェランに含まれるポリヌクレオチドは真皮に存在する線維芽細胞に働きかけるとされます。ポリヌクレオチド(PN)は、ヌクレオチドが多数連なった高分子で、DNAやRNAそのものが代表例です。美容領域で使われるPNは、サーモン(サケ科)由来のDNAを酵素処理・超音波処理で細かく断片化し、タンパク質・脂質を除去して精製したものです。
ヒトDNAと構造が近く、免疫反応が起きにくいとされるため、サーモン由来DNAが選ばれました。断片化されたDNAが細胞の受容体に作用し、創傷治癒・組織修復を促す可能性があるという理論です。

線維芽細胞は肌のハリや弾力を支えるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの生成に関わる細胞です。これらの働きが活性化されることで乾燥小じわ毛穴の目立ちキメの乱れなどに対する肌質改善が期待されます。

肌の引き締め(タイトニング)たるみ治療の選択として ・・高周波(RF)治療機器 エンディメッド(ENDYMED)


美容医療で広く利用されている治療機器の代表的なものには、レーザー(Laser)、光治療器(フォト、IPL)、高周波(RF)機器、超音波機器(HIFU)などがあります。

レーザー、光治療器(IPL)は光の波長を調整することで、主に皮膚の表皮真皮内のメラニン、血管、その他毛根を含めた皮膚内の治療が対象です。それに対して、高周波(RF)や超音波(HIFU)は皮膚から皮下組織(脂肪、繊維組織)時には筋膜にまで熱を加えることで変化効果を目的としています。

今回は年齢層を問わず相談が多い皮膚のたるみに対し現時点で最も中心となる高周波(RF)治療に関して説明します。
そもそも高周波(RF 、Radio Frequency)とは、非常に高い周波数の電磁波を意味します。人体に高周波を流すと電気が流れることで起きるジュール熱、電波形成されることで起きる誘電加熱が発生します。これらの熱作用により真皮や皮下組織に熱刺激が加わり、コラーゲン収縮による即時効果、そして熱ダメージによる創傷治癒作用が発言していくことによる中長期的効果が期待できます。

高周波機器の種類には大きく分けて、モノポーラ(単極式)とバイポーラ(双極式)があります。
モノポーラタイプは、より深部に強い熱を発生させるため、真皮層から皮下、脂肪層まで強い熱収縮とタンパク変性を起こし、強い引き締め効果が期待できる反面ある程度の熱感刺激が伴います。
バイポーラタイプは比較的皮膚から浅い層に熱を発生し、連続的照射をおこなうことで主の皮膚真皮層中心にハリ改善効果が得られやすいです。また、刺激や熱感もマイルドでダウンタイムもほぼ気にせずに受ける事ができます。

今回当院で導入した次世代高周波治療機器エンディメッド(ENDYMED)は、モノポーラ、バイポーラの両システムの長所を取り入れたマルチポーラタイプの治療器です。適度な熱作用と、熱の浸透度による刺激抑えハリたるみの効果を可能にしました。

安心して受けられるたるみ引き締め皮膚のハリ治療の選択肢としてまずは相談ください。

本当のヒアルロン酸注入の持続性と効果の関係は?・・・あらためて美容医療におけるを考える

シワタルミの治療改善そして顔の輪郭矯正の効果的な治療法として注入療法は、今では一般的になっています。製剤として1980~2000年初めまではコラーゲン製剤、今では大部分がヒアルロン酸製剤です。 どちらの製材にも共通しているのが、皮フ構成成分として親和性が高くかつ吸収性であり安全性が確立している点です。

ここでは現在最も多く使用されている皮フ充てん剤(フィラー)としてのヒアルロン酸注入に関して考えてみます。韓国ではヒアルロン酸注入であってもフィラー注射とだけ説明されることが多く、患者さんの多くがフィラーという注射剤が存在すると考えている人が多いです。しかし先に書いたように皮フ充てん剤として最も重要な点は、皮フ親和性と吸収性であることです。 

改めて理解してもらいたいのは、吸収性であることを否定的限定的効果と説明され、より吸収されにくい生体内に残存する材料が優れていると考えるのは大きな誤解だという点です。なぜなら非吸収性の製材なら永久に皮ふや皮下組織内に残る反面、肌や自分の組織にとっては邪魔な異物でしかなく、むしろ長く残れば残るほど自分の皮膚や組織を圧迫し時には炎症やトラブルの原因になりうるということです。

一方、親和性の高いコラーゲンやヒアルロン製剤は半年から1年かけてゆっくり分解されその部位で栄養成分として吸収されていきます。その効果はむしろ吸収される過程で、しわの改善やくぼみの修正に繋がっていくため、吸収されたからと効果がゼロになるどころか正確に安全に吸収されていくからこそ、効果が皮膚に伝わって残るのです。

当院でも多くの患者さんが一年以上経ちヒアルロン酸製剤が吸収されたタイミングで診察しても治療前より明らかにしわが浅くなっていること実感してくれています。

勿論ヒアルロン酸製剤であっても注入するにあたり、正確なデザインと注入技術があってこそ安全で効果的な結果が期待できることは言うまでもありませんが・・・


アジアン美容クリニック 院長 帝京大学形成外科・美容外科 非常勤講師 鄭 憲 

体外衝撃波器(セルアクター『CELLACTOR®』)を 用いた新しい美容医療ファット インパクト( Fat Impact)

セルインパクト

体外衝撃波器(セルアクター『CELLACTOR®』)を
用いた新しい美容医療ファット インパクト( Fat Impact)

代表的な美容医療機器といえばレーザーIPL(光治療器)高周波(RF)ハイフ(HIFU 高密度焦点式超音波)などは耳にしたことがあるかも知れません。しかし「対外衝撃波」という言葉はあまり耳にしたことはないでしょう。しかし医療の分野では数十年前から治療に用いられています。体外から衝撃波を発生させることで強い圧力を体内に加えるこで腎結石や尿管結石を破壊し細かく粉砕して流すという治療は長く行われており効果や安全性はある程度確立しています。

 近年体内の結石を圧力で砕くという面以外に低出力の衝撃波が人体に様々な変化効果を与えることが研究で分かってきており様々な分野での医療治療が広がっています。その中でも微小血管への刺激による血流代謝改善は、狭心症、皮膚潰瘍などの治療への応用も注目されています。

そして美容医療分野では脂肪細胞皮膚への効果に特に注目し、開発されたのが体外衝撃波器(セルアクター『CELLACTOR®』)を用いた新しい美容医療ファット インパクト( Fat Impact)です。

従来の結石を叩く衝撃波の出力を十分の一以下に抑え、さらに衝撃波のフォーカスを絞るハンドピースと拡散して流すハンドピースを使い分けることで効率の良い引き締めができるシステムを可能にしました。脂肪細胞に直接働き圧力波により圧縮し縮める効果はボリュームロスによる皮膚のたるみが起きるリスクを伴わないだけでなく同時に皮膚の血流改善さらに真皮層の厚みを増やすことで張りも生まれる効果も併せ持っています。

特に当院では頬、口元、顎下、目の周囲などの繊細な部分の引き締め輪郭の調整維持に多く用いています。レーザーや高周波ハイフなど他の治療機器とは異なり熱をほとんど発生させないファットインパクト治療は熱による刺激、赤み、痛みを伴わない安全な治療として続けられるものと考えています。

 美容医療は魔法ではありません。しかし医学的根拠と正確な施術があれば期待以上の効果は可能な分野でもあります。

「満ち足りた家族」映画評

ある韓国ドラマの中で「歳を取ると子供が人生の成績表のように思える。」という台詞があった。ドラマの題名や、どの様な場面であったかは不確かであるが、その言葉がなぜか耳に残っている。韓国では、友人、家族など親しい間柄で相手に対して、その人が結婚して子供がいるなら「○○アッパ(アボジ)、○○オンマ(オモニ)」と○○のところに子供の名前を入れて呼ぶことが多い。日本で言えば、誰々ちゃんのパパ、ママという意味であるが、より浸透した呼称であり、時には夫婦間でも配偶者に対しても使われる。一人の個人としての立場より、家族の中での存在や役割を重要視してきた表れだろうか。特に女性の場合、儒教的価値観の強かった韓国社会において妻、嫁、そして母親としてのみ認識される事への違和感や反発は強まってきている。「私は○○オンマではなく、れっきとした名前がある!」と主張する場面も近年の映画などで時々見られる。反面、前述したように、家族を築き、仕事や家事に限らず精一杯子育て、教育など子供の成長のため、自分なりに努力してきた親として「子供が人生の成績表」と感じるとしても不思議ではない。反面、日本では‘親ガチャ’、韓国では‘金の匙、銀の匙’と言われる親の努力、金銭面や学歴、職歴で子供の人生が決まるという考え方が行き過ぎると、社会とっても個人的にも好ましい事ではない。子供は成長すれば独立した一人の人間であり、「親の思い通りにならないのが子供」というのも真実であるから。

今回紹介する作品「満ち足りた家族」は、韓国映画やドラマでよく登場する財閥一族や政治家といった所謂特権、権力階級ではないが、社会的に安定した職業の代表とみなされる弁護士と医師の兄弟とその家族の物語である。監督は、いまでも韓国映画の名作として挙げられる「八月のクリスマス」で長編映画デビューし、その後も数々の作品で高い評価を受けるホ・ジノ監督。彼を慕って参加した出演陣は、ソル・ギョングチャン・ドンゴン、キム・ヒエ、クローディア・キムら韓国映画界を代表する名優達となれば、自然と期待は高まる。ストーリーは、道徳よりも利益を優先するやり手弁護士の兄ジェワン(ソル・ギョング)は、出産したばかりの若い再婚相手(クローディア・キム)と前妻との高校生になる娘とで優雅なマンション暮らしをしている。一方、まじめで道徳的な小児外科医の弟のジェギュ(チャン・ドンゴン)は長年連れ添った妻(キム・ヒエ)と息子と、母の介護をしながら堅実に暮らしている。価値観の異なる彼らだが、月に一度食事会を開いていた。そして、いつものように夫婦同士で兄の行きつけの高級レストランでディナーをしていたある夜、彼らの子供たちは重大な事件に巻き込まれる。この日を境に、満ち足りた家族は予想もしなかった運命に・・・。人間の表と裏、善と悪、家族という存在の前で人間の本性が問われる展開に引き込まれる作品である。

日本でも少子高齢化は深刻な社会問題である。しかし出生率に注目すれば、韓国は世界最低であることが知られている。その原因として若い世代の結婚、子育てに関する価値観の変化、そこには就職率の悪化に伴う経済的問題が大きい。特に韓国では、学歴から始まる激しい競争社会のなか、教育は子供が人生を勝ち抜くための投資との意識が強い。その為、親としての義務感が子供を持つことへの負担感に繋がり易いかも知れない。6年ぶりに長編映画に復帰出演したチャン・ドンゴンが、「この映画のタイトルを自分でつけるとしたら‘子無しが最高!’(笑)」と答えた。勿論、冗談ではあるが、笑えない現実が、韓国そして日本にもあるようだ。

新年を迎え、あらためて読者の皆様、そして日韓両国さらには世界がより平和で穏やかな1年になるように願うばかりです。